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過去の視点は未来の自分へ そして未来へ


May 2, 2015


浜頓別町にあるベニヤ原生花園。意識して撮り始めてから14年くらいになる。最初はなぜこの風景を撮りたいのか、なぜ気になるのかわからないまま撮っていた。ただ撮らないと落ち着かないということだけは確かだった。


実はこの風景を意識して撮り始めたのは2009年ごろが初めてではなく、もっと遡って高校生のときになる。1993年の11月に撮った写真は今の撮り方に繋がる写真で、この時がスタートなのだと思う。


なぜこの場所に通い続けて写真を撮るのか。

最近、こういうことなんだろうかと言語化できるところまできた。


ここは自分にとって、あらゆる時間の自分が出会う場所、視点が交わる場所なのだと思う。

例えば高校生のときに、この風景になげかけた視点は、20年後の自分がその視点を受け取るのだ。過去の自分はそんなことは知らない。20年後の自分はその頃の自分の視点を思い出して再度この風景の中で見る。

それが円環的にずっと繰り返されている。もしかしたら生まれる前の、例えば前世の自分の視点もここにあるのではと思えてくる。

過去の自分は、未来からの視点にうすうす気づいて風景の中にそれを見ようとしていたのかもしれなかった。

風景の中で風景を見ながら、自分の視点に会っていた。


ここは自分にとって、あらゆる自分が交わる場所。そう思ってしまうのは、この風景を小さい頃から知っていて、過去もこれから先の未来もまるで変わることのなさそうな、この風景のせいもあるかもしれない。


ただ、ここをオントキタイとして見た時だけ、違う。

過去にあっただろう風景、自分以外の過去の人が見たであろう風景の片鱗を見たくて撮った。

そして、2015年のオントキタイの記録として。オントキタイという消えゆく地名を偶然知った一人の人間が残した視点の記録として。


ベニヤ原生花園は海岸沿いに並行して湿原があり、5月から7月にかけて野鳥のさえずりと花が美しい生命に溢れた風景となり、秋ははまなすの赤い実と鮭釣りを楽しむ人で海岸が埋め尽くされ、11月は誰もこないひっそりとした、あるいは寒々しい風景となり冬を待つ季節となる。冬は道路が閉ざされるので人は来ないが、スノーシューの装備で行った、雪に閉ざされた冬のベニヤ原生花園もやはり素晴らしかった。


その存在だけで十分魅力的な場所に、私は過去と未来の私が出会う機能を付加させていた。


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