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風景を撮ること


July 20, 2019 ベニヤ原生花園 浜頓別町

風景写真を撮るとはどういうことだろうか。

「風景写真=心を晴れやかにしてくれる綺麗な写真」

ではないことがあるし、風景写真だからより注意深く読み取らないといけない時もある。

写真は先入観で見てしまいがちで、写真を見るとき、写っている被写体がなんなのか見てわかって安心してしまうのは危険で、風景が写っているから風景だと思って見ると、風景が写った写真の奥に潜む何かを見ることができない。

私は上の写真を撮ったのは「綺麗だ」と思って、撮らずにいられなかった。

雨雲で覆われた空の隙間からこちらに光がさした時、海浜植物の細い葉が水面のように光を反射してとても綺麗だった。つかの間の出来事で、この間、一つの時間の流れから離れた空間に思えたりもする。色とりどりの花が咲いていて綺麗だったのではなく、ただ光が、光と影の世界が綺麗だった。その世界が普段の世界と異質なものに思えてシャッターを切った。

なぜ人は風景画を描くのか。

手元にスカンディナビア風景画展の図録がある。雲が低くたれこみ、その隙間らかさす光が風景を通して丁寧に描かれている。黄昏時も、夜も、物悲しい季節も、晴れた夏の風景の絵なのにまるで音が消し去られたような絵だったり。

人にとっての風景の存在。

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