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いつかの月夜


September 22, 2010


これまで個展で発表してきた作品は、私が今これを発表したいという作品になる。作品は私の成長、もしくは変化に合わせて出てくるから、前後することもない。2022年に発表した「オントキタイ」は撮影は2016年からだが、なかなかまとめられず発表を諦めそうになったこともあったが、2016年に撮った写真が頭から離れることはなく、タイミングよく発表の機会をいただいたのをアクセルに無事に発表できたことで、次の作品へとシフトし2023年にはリトルプレス「寄木塚」でテキストメインの「珠文岳」を発表することができた。


「オントキタイ」も「珠文岳」のアイヌ語地名「オロウェンシュプンモトツ」も今は使われない地名を写真と共に今この時間上に浮き上がらせることできてよかったと思ってる。

どちらもすでに地元の歴史研究家によってまとめられているものだが、時間の経過と共に資料も時間の層の下へと行ってしまい、人の目に触れられる機会が減ってしまう。

目に見えない歴史をふわっと浮き上がらせることができたのではと思ってる。


去年、新しくカメラを買ったのに、私はこれまで撮り溜めた写真を見返す作業をしている。

つまり、今の私は撮りたいのではなく、見返したい。

新しいカメラをいっぱい活躍させたいのに、今は撮るではない。もしくは撮るべき場所に身を置けていないのだろう。

自分に素直に従えば、それは見返すという作業になる。


素直に発表してきたから、いつか作品を発表順に並べたら私という一人の人間の変化と成長を、作品を通して見られると思ってる。

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